冬季の暮らし調査を怠るな

高島市は、緯度的には北緯35度あたりに位置していて、標高も100mから数百メートルとそんなに高くはありません。世界的に見ても、この様な低緯度で標高も高くないところで大雪がふるのは珍しいそうですが、日本海側の福井県との境界の山々は冬の湿った冷たい北風をブロックするような高さがないことから、高島市は豪雪地帯とされています。
市北部のマキノ町の中山間部の集落や、市西部の朽木地域では2m以上の積雪があることも珍しくありません。そして高島市の平野部でも、年によっては50cmを越える積雪を覚悟しておく必要があります。
50年以上も前ならば、雪が深い時期には外に出ないで家の中に籠もって冬の作業をしていたのでしょうが、現代はそういうわけには行きません。仕事に行くにも食料を買い出しに行くにもマイカー利用です。なので、深い雪の中からマイカーを掘り出して、行政が早朝から除雪してくれた幹線道路までのアクセス部分を自分の力で除雪をする必要があります。さらに、業者さんがプロパンガスボンベの交換作業に来てくれるかもしれないので、自宅周囲の除雪も必要です。
また、家々が連なっている住宅地では、早朝より自宅前の歩道の除雪をして、子どもたちが安全に学校に行けるようにすることも地域住民の暗黙のルールとなっています。
高島市の雪は、冬の気温がそんなに低くはありませんので、雪は湿っていて、非常に重く自分の体を使っての除雪作業は非常に重労働です。そんな苦労が必要な雪との格闘ですが、どんな大雪があっても、春になると自然に溶けて無くなってしまうので、冬のあの苦労は何だったんだろうと虚しくなることもあります。
なお、国道や県道、主だった市道には融雪装置が設置されているところも多く、早朝から除雪機が走り回ってくれますし、マイカーはスタッドレスタイヤに変えていることから、幹線道路に出てしまえばスリップ事故に気をつけて運転すれば大丈夫かと思います。
雪が降ると、景色が一変して非常に綺麗ですが、その陰には上に述べたような苦労がありますので、高島市への移住を検討されるなら、真冬の中山間部にも足を運んで調査をされることをおすすめします。