田舎に住んでいると、自治会費(町内会費)以外にもイロイロな場面でお金集めが行われます。
多くの集落には氏神様が祀られた神社があって、その神社の神事やお祭りに必要な費用は氏子から徴収されることになります。また、台風などで神社の建物などが傷んだ場合、その修理費を臨時徴収しなければいけないことも考えられます。
また、お寺についても同じことが言え、檀家(門徒)がお寺の日々の運営費や、本堂や客殿の修理費を出し合って支えて行く必要があります。
氏子や檀家(門徒)が少ない神社やお寺では、合意形成は比較的簡単なように聞きますが、一戸当たりの負担額は多くなります。一方、数百戸の氏子や檀家を抱える場合には、一戸あたりの金銭的負担額は少なくなりますが、意見がなかなかまとまらず役員さんは苦労が耐えないという話も聞きます。
お寺の本堂は建物が大きく、さらに金箔が使われていることも多く、かつ特別な建築様式で建てられていることから、数十年に一度の修理が行われる際には、相当な費用が必要になって檀家(門徒)を苦しめることになります。
昭和30年代頃までは、お寺は地域コミュニティの要といった性格を持っていて、毎日のように人々が集まっていたような記憶がありますが、最近は核家族化が進み、宗教に対する考え方も希薄となりつつあります。高島市でも、30年ほど前から自宅からお葬式を出すことがほとんどなくなり、冠婚葬祭センターでお通夜や告別式が手間ひまをかけることなく営まれることが普通になってきました。この結果、お寺さんに対する期待度も小さくなって、最近では「墓じまい」といった言葉まで使われるようになっています。
今後、田舎まちでも人々の宗教観が更に大きく変わってくると、どのようにして神社やお寺を支えていくのかという問題が深刻になってきそうです。