田舎まちの旧来の集落には、区や自治会単位で氏神さんが祀られている神社があります。そして、お祭りの風習が残っています。
お祭りの日には、神社の境内に幟を立てて、家々の軒下には提灯を下げ、神社や御旅所では神事が営まれ、御神輿や山車が出たりします。
というのは、昭和の40年代ごろまでの姿でしたが、平成以降は高齢化や少子化が進んだ結果、戸数が少ない集落では御神輿の担ぎ手が確保できなくなったりして寂しいお祭りに変わってきているのが実態です。
さらに近年は新型コロナの影響でお祭りや行事を中止する傾向があり、3年も中止が続くと文化の継承も難しくなって、お祭りを復活させるには大きなエネルギーが必要
となり、ますます低調になる傾向が強まっています。
しかし、おとな神輿が出せなくても、子供用の神輿を出すのは比較的簡単です。そして、「今年は子供神輿が出るよ」と案内すると、都市部に出て行った人たちが、子供づれで親元の実家に帰ってきて、いつもは寂しい集落に1日賑やかな声が聞こえて嬉しいものです。
昔からのお祭りだけではなく、多くの集落では夏祭りや文化祭行事、スポーツ行事なども楽しく行われていましたが、こうした行事も寂しくなってきたのが実情です。
ですが、隣近所の交流や、集落内の誰も孤立させないといった福祉の観点からも、お酒を飲んだり、同じ食事を楽しんだりして住民が相互に交流できる行事は非常に貴重な機会だと思います。
いろんな事情によって、昔ながらのお祭りができなくなっても、新しい方法を工夫して地域住民同士の繋がりが薄れないようにしたいものです。